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酸関連疾患治療に適した薬剤を考える

Vol.4 古田 隆久 先生/Dr.Peter Malfertheiner 対談編

※本コンテンツで紹介する臨床データは成人を対象とした試験となります

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古田 隆久 先生 × Dr. Peter Malfertheiner 対談編

PPIはさまざまな酸関連疾患のコントロールに不可欠である

古田酸関連疾患治療において最も大切なことは、胃酸の分泌を抑制することです。効果が高く、長期間使用してもその効果が減弱することがないといった点で酸分泌抑制薬の中でもプロトンポンプ阻害薬(PPI) が適切な治療薬であると考えています。

MalfertheinerドイツでもPPIは胃食道逆流症(GERD) に対する第一選択薬と位置づけられています。H. pylori 除菌療法や、NSAIDや低用量アスピリン服用時の潰瘍再発抑制など、PPIは酸が関連するさまざまな病態のコントロールに欠くことのできない存在となっています。

遺伝子多型による影響はエソメプラゾールで低減できる

Malfertheiner私は逆流性食道炎の場合、症例によっては制酸剤や消化管運動機能改善薬を併用することもありますが、基本的にはPPIで治療します。

古田日本と海外ではPPIの承認用量が異なりますが、これには欧米人と日本人の肝代謝酵素の遺伝子多型分布の違いが関係していると考えられます。CYP2C19の遺伝子多型は代謝が速い、やや遅い、

遅いの大きく3群にわかれ、欧米人では代謝の早い人が7割以上占めるのに対し、日本人では、3割程度となっています(図1)。

つまり、日本人は概してPPIの代謝が遅く、薬剤が血中に長くとどまるため、比較的低用量でも効きやすいのです。しかし、少数派とはいえ1/3を占める代謝が速い群では、十分な効果が得られないことがあります。これがいわゆる“unmet needs” となっています。PPIにはCYPの遺伝子多型による影響が少なく、患者を問わず安定した効果が期待できるものもあります。種々のPPIを1日2回投与*して24時間胃内pHを検討したわれわれのデータでは、どのPPIも遺伝子多型間で効果に差がみられましたが、エソメプラゾールの効果は最も安定しており、RM例でもpH≧5の状態が維持できていました(図2)。

PPIの用法用量につきましては各種薬剤の添付文書をご参照ください。

図1 日本人におけるCYP2C19の遺伝子多型の割合

図2 各種PPIのCYP2C19遺伝子多型別胃内pH

*PPIの用法用量につきましては各種薬剤の添付文書をご参照ください。

Malfertheinerエソメプラゾールは優れた酸分泌抑制効果を有する薬剤であるため1)、症状が強く、一刻も早い効果発現を望む患者さんでは特に意義があると考えます。

  • 1)Rohss K.et al:Clin.Drug Investig.24(1),1-7,2004

正しい知識を持つことがPPI活用のカギである

古田もうひとつ医療者が忘れてはならないこととして、薬物間相互作用の問題があげられると思います。代謝酵素CYP2C19 を代謝経路とする薬物はPPIの他にも多くあり、PPIと併用される場合に代謝や排泄を遅延させる可能性があるわけです。また、酸分泌に依存した薬物間相互作用もあり、ゲフィチニブ、エルロチニブなどの分子標的薬がPPI等による胃酸分泌抑制の影響を受けやすいことがわかっております。

Malfertheiner重要なことは、こうしたPPIとの薬物相互作用自体は致命的ではなく、用量を調節すれば対処できるという点です。問題は、そういう事実を知らずに投与を中断するなど、不十分な治療を行ってしまうことですね。

古田そうです。副作用にしても知っていれば対処できるものがほとんどです。WarfarinとPPIの相互作用についても、その主な活性物質であるS 体は主にCYP2C9 で代謝されるため、CYP2C19 の関与は少ないと考えられていますが無いわけではありません。もし、PPIとwarfarinの相互作用が懸念される場合には、他の抗凝固薬も考慮するべきと考えております。他剤による治療を継続するためにも、これら副作用の可能性に常に注意を払いつつ、PPIを活用していただきたいと思います。

MalfertheinerPPIの投与に限らず、高齢者や他疾患を罹患している人、複数の薬剤を使用している人には注意が必要です。これは、PPIの有害事象として報告されている症状を発現する患者のほとんどは、他の薬剤を併用していることがわかっているためです。また、Clostridium difficile(CD)による腸管感染症のリスクはPPIによって高まるという報告がありますが2)-4)、最も重要な危険因子は抗菌薬の使用であると考えます。
また、骨折に関しては、PPI服用により骨折リスクが増加するという報告とそうでないという報告が存在し見解が分かれています。ただ、骨折リスク因子を調整し検討したメタ解析の結果からPPIはリスクとならない可能性が高いと考えています。5)-9)

古田骨粗鬆症などで背骨が曲がった人はGERDになりやすく、PPI服用率も高くなります。つまり、PPIを使っているから骨折しやすいのではなく、もともと骨折しやすい人でPPIが多く使われているということですね。

Malfertheiner医療従事者がそういった情報を把握し、患者さんに対して適切な治療を行うことが大切だと思います。PPIのなかでもエソメプラゾールは優れた酸分泌抑制効果を有する薬剤であり(図3)、その有効性、安全性は世界中の豊富な臨床成績に裏付けられています。そのような薬剤が、酸関連疾患の治療において正しく活用されることを願っています。

図3 投与5日目の24時間の胃内pH>4の時間率

  • 2)Leonard et al. AJG 2007;102:2047-56
  • 3)Howel et al. Arch Int Med 2010;17:784-90
  • 4)Linsky et al.Arch Int Med.2010;170:772-8
  • 5)Ye X. et al: Eur. J. Gastroenterol. Hepatol. 23(9), 794-800, 2011
  • 6)Yu EW. et al: Am. J. Med. 124(6), 519-526, 2011
  • 7)Eom CS. et al: Ann. Fam. Med. 9(3), 257-267, 2011
  • 8)Kwok CS. et al: Bone 48(4), 768-776, 2011
  • 9)Ngamruengphong S. et al: Am. J. Gastroenterol. 106(7), 1209-1218, 2011
ネキシウムをご処方の際は製品の添付文書をご確認ください。
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